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ペルソナを知り、BtoBマーケティングを強力に推進する

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2018年1月25日

例えば、ある人事向けソフトウェアのWebマーケティングを実施しようとして、選んだツールがインスタグラム。なぜ!?と思いたくなる選定ですが、実はこうした「選択ミス」と想定されるケースは、よく聞く話です。

サービスと親和性が低いのに出稿し続けるリスティング。Webサイトへの流入数が少ないのに導入したチャットツール、書ける人員がいないのに始めたコンテンツマーケティングなどなど。

もちろん全体のマーケティング活動において、その施策に何らかの意味があるのであれば間違った選択とは言い切れませんが、世の中には自社のマーケティングに効果を発揮しない施策の選択をしている企業は案外あるものです。

今回は正しい施策の選択をするための第一歩として、ペルソナについて解説していきます。

 

ペルソナとは

ペルソナは、いわばターゲット像を明確にすることです。ペルソナがあれば、マーケティングに携わるメンバーの意識を合わせることができます。その意識合わせにより、例えばキャッチコピーや文章、デザインなどのクリエイティブを作る際に役立ちます。外部の業者に依頼する際もペルソナがあれば話は早いです。また自社サービスとのタッチポイント(接点)が明確になり、マーケティング施策の取捨選択に迷いがなくなります。
プロジェクトを進める中でいろいろなアイデアが出た際に「じゃ、作ったペルソナなら、どれが良いだろう」「そのアイデアにペルソナは興味を持つだろうか」と尋ねると、幾つかのアイデアに絞られていきます。
ペルソナはマーケティングの上流活動・工程の一つとして、カスタマージャーニーマップとともに策定されることが多いです。

サービス開発のペルソナとマーケティングのペルソナの違い

プロダクトなどのサービス開発時にプロダクトオーナーはペルソナを作ることが多いです。実際に使用する人の操作感、使うことによって得られるメリット、使う際の感動体験などなど、その洗い出しは多岐にわたります。
しかし、サービス開発時に作ったペルソナは、特にBtoBのマーケティングにおいては、役に立たないときがあるということを知っておく必要があります。BtoBサービスは実際に使う人と導入する人(サービスを企業に導入する窓口的な部門、人)が別のケースが多いからです。

BtoCサービス(例えば、衣服だったり、食事だったり)は、使う人と導入する人が同じケースが多いため、プロダクト開発時からマーケティングを見越したペルソナを作ります。
使用者と決裁者が同じというわけです。

BtoBとBtoCのマーケティングの違いについて詳しく知りたい方は以下も参考にしてください。

参考:改めて整理したいBtoBのマーケティング施策。BtoCとの違いとは
https://www.markeit.jp/blog/btobmarketing/

ペルソナを作ってみる

では実際にペルソナを作ってみようとなりますが、その作成は案外、難しいものです。
以下はペルソナを作る際の一例です。

データ収集

・定量
・営業活動データ
・Webサイトへのアクセスデータ
・顧客データ など
・定性
・ユーザヒアリング など
・競合
・価格
・実施施策
・優位性
・経営状態(予算、資金調達等) など
・市場
・マーケット規模
・代替サービスの状況
・社会的な追い風 など

分析
 ・ターゲットのグルーピング
 ・セグメント化
 ・優位性の明確化 など

ディスカッション

ペルソナ化
 ・ユーザ像の明確化
 ・ストーリー(エピソード作成) など

徹底的なデータの抽出やユーザヒアリングなど、大変骨の折れる作業で、専門的な知識も必要になります。
さすがにここまでは…と躊躇してしまう人が多いのではないでしょうか。
特に少ないマーケティング予算のサービスであったり、限られた時間しかなかったりする場合は、まずは自分たち本位で構いませんので、仮のペルソナを作るところからスタートすることをお勧めしています。

イチからじっくりとやることも大切ですが、まずはやってみて改善してくことが大事です。回数を重ねていけば、ノウハウもたまり、本格的なペルソナ作成の足がかりにもなるでしょう。
このように、必要最低限のデータ分析やディスカッションで自分たちでまとめたものを簡易ペルソナと言うことがあります。

ペルソナのよくある失敗例

ペルソナの作成のメリットをここまで解説してきましたが、よくある失敗例についても知っておくと良いでしょう。

・自分本位(売り手本位)になりすぎて、都合の良い解釈しかできなかった(べき論で進行した)
・ディスカッションでみんなの意見を聞きすぎて、ユーザ像が曖昧になってしまった
・当初の設定にこだわりすぎて、見直しをしなかった

特に最初のポイントはよくある失敗例です。売り手にとって理想的ではあるものの「こんなユーザが本当にいるのか?」という作って満足なものにならないようにすることが大切です。

実際にペルソナを作ってみよう

実際にアウトプットした簡易ペルソナのサンプル

私たちは簡易ペルソナの支援をしていますが、その際は予算と時間の点から活動内容を以下に限定することが多いです。

データ収集
 ・定量
  ・Webサイトへのアクセスデータ
  ・Web上における競合調査
  ・Web上におけるマーケット調査

ディスカッション
 ・社内の営業担当者へのヒアリング
(ユーザヒアリングの代替手段)
 ・競合確認
 ・マーケット確認

分析
 ・セグメント化
 ・優位性の明確化 など

ペルソナ化
 ・ユーザ像の明確化
 ・ストーリー(エピソード作成) など


特に現場で導入担当者や使用者の声を拾える営業担当者を交えたディスカッションを重視しします。データ抽出の簡略化とユーザヒアリングの非実施により、かなりの時間短縮やコストの削減を図れるのです。
また私たちのような第三者の専門家の視点を入れることにより、自分本位(売り手本位)になることも避けられます。

まとめ

マーケティングにおいてペルソナの作成が大切なことを理解いただけたでしょうか。
初期にペルソナを作っておけば、その後のマーケティング活動での迷いが少なくなり、時間短縮につながることもあります。もちろん見直しも大切です。
簡易ペルソナでも十分効果がありますので、まずはトライしてみてください。