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    BtoBで劇的に問い合わせ率を引き上げるユーザビリティ改善

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    2014月9月17日

    株式会社アルコの黒須敏行です。 前回BtoBにおけるSEOキーワードの発見方法について書きましたが今回はユーザビリティ改善について話したいと思います。 今回の目的はBtoBサイトにおける問い合わせ率を『劇的に』引き上げるユーザビリティ改善方法の理解です。

    ※この記事は旧ブログ「INBOUND marketing blog」から移行したものです。

    ユーザビリティ改善というと

    ・フォームを使いやすくする
    ・リンクやテキストを読みやすくする
    ・サイトを軽量化する

    といった施策を思いつくと思います。
    こちらの記事にもよくまとまっていますが、仮にこれを全てやりきったとしたら次にどのような改善をすれば良いでしょうか?

    オススメは商品を比較検討する法人顧客の不安を解消するというアプローチです。

    前提としてBtoBのマーケティングは法人顧客からどのように信頼を獲得するかが最重要課題になります。

    にも関わらずウェブサイトの問い合わせ数を増やすためのBtoBユーザビリティ改善というとフォームの改善を代表とした機能の改善に関するものが多く顧客信頼獲得を目的としたシナリオの改善についての議論は非常に少ないと感じています。

    そのため今回はフォームやデザインなどを一切変えずに、顧客不安の解消によって大きな成果を上げた事例を紹介することで劇的に成果を改善するための考え方を持ち帰ってもらいたいと考えています。それでは参りましょう!

    ユーザビリティ改善の背景:
    同ビジネスモデルの台頭による差別化苦戦

    BtoB向けの不動産仲介会社が、徹底した顧客視点によるウェブサイト改善によって、賃貸オフィス移転に関するウェブ経由の問い合わせを3倍以上にした結果、売上を大きく改善した取り組みを紹介します。まずは、この賃貸オフィス物件仲介会社が置かれていた背景を説明しましょう。

    背景1:マーケティングチャネルはインターネットがメインのビジネスモデル

    賃貸オフィス仲介のビジネスモデルは仲介手数料です。貸主と借主の両手から仲介手数料をとるのが一般的ですが、この企業は仲介手数料を貸主だけからとるという仲介手数料無料のビジネスモデルを採用していました。

    このビジネスモデルを成立させるためには社内の運営コストをカットする必要がありますが、不動産仲介ビジネスで重くのしかかるのが、マーケティング費用です。

    営業担当者が飛び込みで営業することは一切行わずにインハウスでリスティング広告とSEOを実施することでマーケティングコストのカットに成功してきましたが、リスティング広告費用の高騰とインハウスによるSEO対策の行き詰まりによって新たな打ち手を模索していました。

    背景2:UI・UXに知見のあるデザイナーが作ったウェブサイト

    ウェブサイトは「UI・UXに知見があるデザイナー」に多額の費用をかけ構築されたものでしたが、フラットデザインに代表される最新のデザイン技法で作られてはいるものの、「賃貸オフィスを探す経営者や総務担当」という顧客目線に作られたものではありませんでした。

    このようなサイトは、確かにぱっと見の洗練感はありますがウェブサイトに訪れる経営者は総務担当などの疑問や知りたいことを想定しておらず「この会社が何をしているのかがわからない」「自分とあった実績をもっているのかがわからない」などの顧客不安が解消されていないようでした。

    顧客不安を特定し改善するアプローチを採用

    反響率を改善するためには、ウェブサイトを利用する顧客の心理を理解する必要があります。マーケティング担当者や営業担当者にヒアリングをしたところ「サイトに慣れすぎているため顧客が何を思うのかがわからない」という回答が多く、何が反響率を妨げているのかが特定できていませんでした。

    そのためウェブサイトを利用する顧客の心理背景や行動理由を理解するため、賃貸オフィスを検討している経営者と総務担当者7名を対象に行動観察調査を実施しました。

    行動観察調査とは?

    法人顧客にホームページを見てもらい様子を観察し、ヒアリングをするなどしてウェブサイトの問題点を発見する改善手法です。

    問題点を見つけるために有効な手法が「思っていることをつぶやきながら使ってもらう」ことです。これによって法人顧客不安の特定が容易になります。

    テストで問題点を発見しやすくなる鉄板の質問をまとめました。是非活用してみてください。

    ・〜に気が付きましたか?
    ・〜をどう思いましたか?
    ・〜といっていましたが、どういうことですか?
    ・もし〜だったら、どう思いますか?
    ・(サイトを見比べてもらい)どちらを利用しますか?
    ・なぜですか?
    ・具体的にはどういうことですか?

    オススメはテストのスタート時にウェブサイト以外の行動動機を掘り下げるとなお良いです。そこで得られた発見点はウェブサイトはもちろん販促物の企画やセールストークなどウェブ以外のマーケティング活動にも応用ができるようになります。

    大多数の意見を聞く必要は無いのか?

    そんなに少数の意見を反映させて大丈夫か?偏りがあるのではないのか?という質問をよく頂きます。まず前提としてこういった調査は量的調査と質的調査に分けることができます。

    量的調査は数値データやカテゴリデータを収集し、グラフや数表で結果をまとめます。選挙の世論調査などが該当します。

    一方質的調査は観察や少人数インタビューなどによって数値化できないデータを扱います。通常質的調査では統計的な精度は求めず、たとえ一つしか事例がなかったとしても、その発見から洞察を得られるのであればその調査には価値があったといえます。

    大人数の調査はサービスについての満足度などの検証を目的とするものであって、個別の顧客心理を把握することで改善につなげていくといったことには向いていません。

    改善のためには少人数でも構わないので「不安だった」「うまくできずイライラした」などの顧客のネガティブな体験を観察し、なぜそのように感じたのかを深堀りすることで改善につながる洞察を手に入れることができるのです。

    BtoBのユーザをどのように見つけるか?

    行動観察対象はできればサービスのターゲットが良いですが、BtoBの場合比較検討する決済者は周りにいないことが多いです。そのため

    ・モニタ会社などを通して集める
    ・知り合いに紹介してもらう

    もしくは法人顧客を知っている自社のセールス担当者に顧客になりきってもらい使ってもらうのがオススメです。今回は経営者や総務担当などの珍しい被験者だったのでモニタ会社と知り合い両方を通して集めました。

    行動観察調査でわかった法人顧客心理

    行動観察調査によって、賃貸オフィス移転を検討する顧客心理や背景を特定することができました。反響率をアップさせるうえで重要になったポイントを紹介しましょう。

    発見1 「大企業のロゴ」=「高い」「中小企業は相手にしない」と誤解

    中小企業の顧客は実績掲載されていた大企業のロゴを見て「価格が高そう」「自分にあった提案をしてくれないのでは」と誤解していることがわかりました。

    この企業は日本を代表する企業との取引があったためサイト上でそれらの企業のロゴマークを掲載していましたが、実際取引相手にあたる規模は中小企業やベンチャーでした。

    BtoBのウェブサイトは料金、実績、会社の信頼性が重要視されるケースが多いですが、このケースは信頼できる会社というアピールが料金の敷居の高さを生んでしまっていました。

    発見2 知りたいことは何平米ではなく何人で入居できるか?

    サイト上で物件の大きさで絞り込むことはできましたが、何人で入居できるのかが直感的に顧客に伝わっていませんでした。

    不動産業界にいれば、何平米で何人入居できるのかというイメージを一般認識として持っていることが多いですが、経営者や総務担当は不動産のプロではありません。そのため平米で絞り込んだあとに入居人数を頭のなかで計算することに疲れウェブサイトから離れてしまうという状況が観察出来ました。

    発見3 取引先の近くに移転したいが住所を見ても場所はわからない

    物件の住所情報を見ても、どこにあるのかがわかっていませんでした。地図で物件を探せる機能はありましたがその機能が顧客に気が付かれていませんでした。

    賃貸オフィスを探す上でこの顧客は懇意にしている取引先とスムーズにやりとりをするために、その取引先の近くにオフィスを構えたいと考えていたため地図で直感的に物件を探す行動をとりました。

    地図で探す機能はサイトのトップページや上部から辿ることはできましたが、顧客が上記のような疑問を感じるタイミングは物件の検索結果をスクロールしている最中です。そのため地図の検索機能が気が付かれず使われなかったのです。

    発見4 移転以外のサポートを望むがポータルサイトと誤認される

    オフィス移転は物件が決まったあとも、内装のデザインや移転作業の業務が発生するため新しい商談機会が生まれます。この企業もそういった付帯サービスはありましたが、顧客にそもそも移転サポートをするとは認識されていませんでした。

    物件検索ポータルのデザインを参考にしていたため、顧客にとっては情報の紹介だけをしているサイトと勘違いをされていました。

    この企業はオフィスデザイン設計や内装業務もパートナーと連携してサービス提供していましたが、全く伝わっていなかったのです。このようなウェブサイトに訪れる顧客の先入観を解消しないとせっかくの商談機会を逃してしまいます。

    調査結果を踏まえた改善施策

    これまで紹介してきた行動観察調査の結果をもとに、改善を実施することになりました。改善ポイントを説明します。

    改善1 実績を中小企業と大企業向けとに整理する

    これまでの取引実績を大企業、中小、ベンチャーと整理することで、様々な規模の会社と均等に取引があるということを明確にしました。これによって中小企業顧客の不安を軽減することができました。

    改善2 顧客が知りたいタイミングで情報を出す

    検索結果を見ている最中に「地図が見たい」と顧客は感じることがわかったので、そのタイミングで地図検索機能を表示させました。地図コンテンツへの遷移率が改善されました。

    会社を紹介するページやトップページに、自社のビジネスモデルは説明していましたが顧客は全く気がついていませんでした。

    アクセス解析を見ると顧客のほとんどが検索から物件紹介ページや検索結果ページなどの下層ページに着地していることがわかったので、下層ページ上の共通部分で訴求をすることにしました。

    改善3 自社ビジネスモデルを適切なタイミングで顧客に伝える

    会社を紹介するページやトップページに、自社のビジネスモデルは説明していましたが顧客は全く気がついていませんでした。

    アクセス解析を見ると顧客のほとんどが検索から物件紹介ページや検索結果ページなどの下層ページに着地していることがわかったので、下層ページ上の共通部分で訴求をすることにしました。

    ウェブの制作現場で起こりがちな現象

    ウェブサイトの設計のサイトマップを考慮すると、トップページに重要な情報を展開するのをよく見かけますし、これは間違っていません。ただし顧客行動を観察すると、必ずしもトップページを注視していないケースがあります。むしろほとんどのケースは検索を利用しているので基本的なSEOが実装されているサイトは下層ページから着地するケースが多いです。

    ここで重要なことは下層ページに情報を展開することではなく、顧客行動を観察したうえで顧客心理にあわせた情報設計が求められるということです。

    改善後、反響率は1.9倍近く改善

    これらの改善施策を行ったところ、半年間で反響率は1.9倍以上改善されました。また検索ワードの掘り起こしを行い新しいワードに対応するコンテンツを増やし、サイト内のリンク構造とURL構造の見直しを実施したところ、検索流入数が倍増し結果的には、反響数は3倍以上に伸びました。

    まとめ

    ユーザビリティ改善はフォームやサイトを軽量化するなどのインターフェースの改善と、顧客関心に応え不安を解消するシナリオ改善に議論を分けることができます。

    この話を営業マンにたとえるとネクタイやスーツなどの身だしなみがインターフェースでセールストークの改善がシナリオです。自社のウェブサイトの身だしなみはほぼ問題なしということであれば是非セールストークの改善をオススメします。

    最後に紹介ですが、顧客獲得単価の削減を検討している方向けに様々なサービスのビジネスモデルと参考にすべき施策を冊子にまとめました。

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    それではまたこの場所でお会いしましょう!